セントビンセントノオハラ


青年海外協力隊20年度1次隊としてカリブ海に浮かぶ小さな国セントビンセントで活動してました。
by y-oharatti

2009年 09月 19日 ( 1 )


現地語学訓練再び

ありがたい事に、また語学訓練が受けられる事になった。
今回の講師は丘の下の隣にある、ビンセントで学力トップの小学校の副校長先生。

会うのは初めてだったが彼女は私の事を知っていて、なぜかと言うと、ハリーの元同僚で友達、そして丘の上の校長、Missヒッポリットとも同様。

ホント、せまい世間なのである。

本当なら語学訓練の内容を記事にすべきなのだろうが、それよりも彼女の波乱の人生に驚愕してしまった。

「I am widow.」(私は未亡人よ。)と自己紹介でおっしゃったので、見かけよりも年が上なのかな、ぐらいに考えていたのだが、話題がビンセントの政治に移った時、理由が分かったのだ。

彼女の旦那さんは現首相の元・広報秘書で、3年前に殺害されたのだ。犯人はすぐに捕まり、裁判も終了している。
記事によると旦那さんは銃で撃たれ、彼の車の後部座席で絶命されていた。車が発見されたのは、現在も彼女と家族が住む自宅のすぐ側。法廷で100人を超える聴衆が、「お前は間違った人間だ!」と叫んだそうだから、いかに世間を震撼させた事件だったかわかる。

自分の目の前で笑っている人が、こんな凄惨な事件と向き合っていたのかと、未だに信じられない気持ちである。

最近、かなり物騒なビンセント。
私が住むインディアン・ベイ(私の家からはかなり離れた所)で殺人事件があり、2人の人が亡くなった。麻薬取引にからむ内部抗争らしい。しかも、犠牲者の1人はインディアン・ベイに住んでおり、顔馴染みだった。ちょっと困った所があって、JICA事務所の前で立ちシ○ンしたり、思い出したように「1ドルくれ。」というので、いつも距離を置いていたのだが・・・。
殺害された日の前日、彼は私の家の前で、「Ms,1ドルくれ!」と叫んでいたのだ。

だから、新聞でこの事件を知った時は、背筋が寒くなった。


日本でも、凄惨な事件は起こっている。だが、ビンセントではその身近さが格段に違う。
単に、日本にいた頃の私が恵まれていただけなのかもしれないが。

広報秘書の事件には続きがあって、ローカルの中には「彼は与党によって暗殺された。」という話もある。国家機密に関わる事を知ってしまった為に、殺害された、と。
映画の観すぎだよ、と思ったがあながち嘘でもないのかもしれない。

人々が防犯対策に神経質なのも、こんな事件がこんな小さな国で起こっているからなのである。人口11万800人、種子島と同じ大きさの国家。日本で言ったら、ひとつの市。

by y-oharatti | 2009-09-19 22:17