セントビンセントノオハラ


青年海外協力隊20年度1次隊としてカリブ海に浮かぶ小さな国セントビンセントで活動してました。
by y-oharatti
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Windward Islands Game 生徒の事情編

この大会に選抜されている生徒の条件は"学生"であること。
セカンダリーからカレッジ(短大)の生徒で構成されている。ビンセントをはじめとするCXCを採用する国は、学制もほぼ同じである。

ビンセントでは、InterSecondaryという選抜チームに選ばれてる選手が今回のメイン。彼らは年間を通じて週3回のトレーニングに参加している(陸上競技以外)。
一番遠いところでは、離島・グレナディーンズから参加している子や、バンで1時間以上かかるカントリーサイドから来ている子もいる。

選抜チームで活動するぐらいだから、交通費ぐらいはもらっているのかと思っていたが、そんなものは無かった。週3回の練習に必要な交通費、一番遠いカントリーサイドでだいたい片道8EC$(=約320円)。1週間で48EC$(=約1,920円)の出費である。

格差社会ビンセント。ピカピカの日本車を乗り回し、i-Pod片手に革靴でタウンを闊歩するビンシーもいれば、日々の食べ物すら買えず、違法マリファナ栽培に手を出す者もいる。3EC$の実習費が払えず、実技授業を受けられない生徒もいる。

今回集まった生徒たちを見ていてわかったのは、皆、それなりの経済状況の家庭の子どもたちであるということ。それなりでなければ、練習に参加することは不可能。練習会場のある首都まで出てこられない。生徒たちの持ち物をみていても、皆、i-Podやそれに似たものを所有し、いつも音楽を聴いているし、ノートパソコンを持ち込んでいる子もいた。お年頃の女の子たちのベッドの周りにはボディクリーム・香水・アクセサリーなどの身だしなみに関わるいろんなモノがひしめく。
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ビンセントでは、人々は身だしなみにとても気を遣うが、それも、衣食住あっての事である。

合宿中、Ministoryのずさんな食事管理から選手たちを救った(?)KFC。この子たちが平気で買う1食15EC$(=約600円)のKFCは、低所得者層にとっては、ご馳走である。

普段、私は1EC$=100円の経済観念で生活している。私にとってKFCは1,500円と変わらない。学校の購買で買えば、お昼ご飯が飲み物付きで6~7EC$で食べられる事、教員の給料が約2,200EC$(=約8.8万円)である事、隊員がもらっている生活費を考えれば妥当な観念だと思う。

スポーツのいいところは、貧富や学力の差にかかわらず、学校に居さえすれば誰にでも平等にチャンスはやって来るものだ、と私は長い間信じていた。だが、それは日本という行政サービスが行き届いた国だからであるという事に、今更ながら気付いた。

そもそも、スポーツにはお金がかからない、なんていうのは幻想である。日本だって、スポーツクラブに入ればいろいろな雑費がかさむ。大事なのは、お金の使い方を教えることである。
日本にいた頃、選手によく言ったのは、

「金額に差はあれど、皆には自由になるお金があるはず。お正月にもらうお年玉、ゲームのソフト買ったり、音楽CD買ったり、携帯持ったり。そういうお金を、交通費・合宿費・シューズ代に使いなさい。」

どれも あれも これも 手に入れる事はできない。ならば、決まったお金の中で何を優先に考えるのか。他国の同期隊員も言っているが、日本には、選ぶ事のできる幸せがある。

だが、その自由になるお金すら持たない子どもたちが、ビンセントには沢山いる。使い方を選ぶほど、お金を持っていない。

私は決して裕福でない家庭で育った。実際、今も奨学金の返済をしている。競技のための用具が思うように買えない辛さ、友達が当たり前に持っているモノを持てない辛さを味わった経験がある。
だが、衣食住は保障されていたし、ひもじい思いをした事もない。競技を選ばなければ、奨学金をもらわなくても、大学に行くことはできた。私の経験は、モノに溢れ恵まれている子どもたちにとっては教訓になるのかもしれない。だが、ビンセントの境遇とは、あまりにかけ離れている。

ビンセントには、選択肢を持てない人たちがいる。

私は首都隊員で、なかなかそういう子どもと接する機会はないが、決して少なくない人数いるはずである。
人口11万8000人。種子島とほぼ同じ面積のビンセントだが、この小さな国の中で、いろんな事がひしめいている。

超格差社会ビンセント。

by y-oharatti | 2009-07-29 23:39

Windward Islands Games 運営とは・・・編

ビンセントは雨期である。今年も本当によく雨が降る。
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この雨のおかげで、いろんな汚物が洗い流され、ビンセントには変な病気が流行らないのだと、私は信じている。
なぜなら、あっちで”シャー”こっちで”シャー”。いろんなとこでみんなオ○ッコするので、ちょっと雨が降らないと、グラウンドや敷地のすみっこはホント、「くさっ!」なのだ。

話をもとに戻そう。

雨のせいで、予定の試合が消化出来ないことが何度かあった。
本来、屋内で行われるバレー・バスケについても、ビンセントには体育館がないので、屋外コート。お天気次第の大会運営。雨のためにゲーム中断、止むのを待ち、ゲームを再開なんてこともしばしば。
雨で水浸しのコート。
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雨が止んだから、ゲームが始まると思ったら大間違い。誰も、コートの水切りをしない。ただ、みんなでボーッと待っているのである。それを見かねたここのコートの主のオッちゃん(運営には全然関係ない人)がローラーを持ってきて、水を切り始めた。

それでも、責任があるはずのオフィシャルはだ~~~~れも動かない。

私は常々、
「Yukoはボランティアだから何でもやるのよね。ボランティアがいると、ホント便利よね。」と思われるのを本当に嫌っている。
ここで私が手をだしたら、何にもならん。そう思い、黙って見ていた
だが、ハリーが水キリを始めたのを見てやっぱり黙っていられなかった

「何か拭くものないですか?」
オフィシャルが何のためか知らないが、ぼろカーテンを持っていた。

日本の雑巾がけよろしく、コートを拭き始めると、スタンドから「Yukoいいぞ~!」と歓声。すでに信頼関係ができつつあるビンセントの選手たちである。私がやるのを見て、一緒にやってくれる生徒も。
これは本当にありがたかった

そんな我々の姿も、オフィシャルにはどこ吹く風。自分たちはオフィシャルだから、ジャッジさえすればいいと思ってふんぞり返っている(そのジャッジさえも、物議を醸し出したのだが)。自分たちの手は汚さず、肉体労働はそういう人(コートの主のオッちゃん)のやる事。後で聞いたが、これらの事もオフィシャルの仕事のうちだ。

自分はホワイトカラーだといわんばかりのこの態度。以前、先輩隊員から聞いた事だが、奴隷制の名残か肉体労働は被服従の人々のやる事と思っている節があると。ビンセントには「使う人」「使われる人」という根強い意識があると言っていた。

じゃ、ハリーは何なんだ??彼は生徒のために何でもやる。


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同様に、こっちも水浸し。スポンジが用意してあるのに、誰も水とりをしない。こんなサーフェイスで競技するので、転倒やそれに伴う擦過傷が多く、私たちMedic(医療チーム)の出番も多かった。

なんて事!!

ここでも、オフィシャルは何にもしない上に、1人のオバちゃん審判が水切りしている私を、足が痛いとか言っている審判のところへ無理矢理引っ張っていき、「この子にストレッチしてもらえばいいのよ。ほら、彼にやってあげてよ!」と言われた時には、黙って笑ってごまかしたが、相当顔が引きつっていたに違いない。”彼”はそれ以上何も言わなかった。

私は選手のために働いているのだ。

この時が、怒りの頂点だった。


ゲーム進行が遅れれば、それは選手にとってビハインド以外の何ものでもない。
この大会は朝・昼・晩の1日3部構成で行われており、最終ゲームの開始は20時半。
前のゲームが押せば、開始が21時、22時とずれ込む。
最遅で22時半ゲームスタート、終了が0時半という日があった。
選手がベットに就くのは一体、何時になるのだ?!

同じ種目が続かない日程配慮はされているが、他種目出場の多くの選手が、最終ゲームの翌朝に8時半の第1ゲーム、という事があった。

大きな事故や怪我がなかったのが、本当に不思議である。

この大会の運営はMinistiry of Education(教育省)が請け負っている。つまり、大会の目的はスポーツを通して、青少年の健全な育成を奨励するものであるはず。

お役人は、自称ホワイトカラーの人々は、満足な食事・休養ができない状態で選手たちが試合せざるをえない状況を生み出している事に気付いているのだろうか?

by y-oharatti | 2009-07-28 23:34

Windward Islands Games 私の仕事編

成り行きで、選手のコンディショニングに関わる事になった。
簡単に言うと、”トレーナー”である。
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ストレッチを手伝ったり、マッサージを施したり。
私はトレーナーとしての資格は何もないが、”患者”としての経験があるので、多少の事はできる。

できる事とできない事の線引きをハッキリした上で、選手ひとりひとりと関わった。
施術効果はもちろん大事だが、自分が選手だった時にそうであったように、「自分の事を気に懸けてくれる人がいる」「身体状況の相談をできる人がいる」という事は、選手にとって大きな安心材料になる。

まして、10代の選手たちである。家から2週間離れ、特殊な環境で生活している。
自分の事を気に懸けてくれる大人がいるだけでいいのである。

ハリーは、キャンプの初めのミーティングで言った。
「この2週間、我々スタッフがみんなの両親だ。」と。



チームには一応、運営側が用意したMedic(医療チーム)とトレーナーがいる。
しかし、医療チームと言っても、医師はいない。
タバコ大好きな白クマみたいなおじいちゃんとその娘。
コートサイドでタバコを吸って、コーチに怒鳴られた。
当然である。
応急手当のイロハは一応知っているようだが、なんとも心もとない。
特に、サッカーやバスケットなど、スピードの要求される応急処置には慣れておらず、痛みの軽減や選手とコーチの意志を尊重した手当ができない。


トレーナーは、キューバに留学して修士を獲っており、知識はかなり最先端の物を持っているが、実戦経験が少なく、これまたスピードに対応できない。その上、キューバで勉強したという自負がそうさせるのであろう、選手の目線に自分から降りてこないので、選手にとっては頼みづらく、選手の顔を見ないトレーナーなのだ。

選手に還元されない知識など、無いも同然。

必然的に、ここでの私の仕事は彼らのパイプ役である。完全なマンパワーである。
黙って彼の後ろに付いて、あーせい、こーせいと言われた事をやる。負傷選手に帯同し、病院に行く事もあった。

正直、
ちっくしょー!!
と思う事もあったが、はやり、技術はモノをいうのである。
私の手順や行動を見ていた彼は、気付いた。
君、何歳???

ここからが彼のエライところだった。
自分と私の違いから学ぼうとするし、自分の行動を変えたのだ。
プライドの高いビンシー。言葉では絶対に言わないけれど、明らかに変わった。
彼のように、しかるべき場所で正しい知識を身に付けた人が選手にとって助けとなるトレーナーになってくれる事を願うばかりである。
試合時間にしかコートにおらず、競技場では医務室にお籠もり。コーチに言われた仕事しかしなかった彼が、最後にはキャンプに滞在するようになり、自分から選手に声をかけるようになったのは、大きな進歩である。

トレーナーをやると決めた時から、この仕事はまったくのマンパワー/ボランティアであり、自分の活動要請から大きくはずれる事は承知だった。だが、意外なところで技術伝達ができ、タナからぼた餅であった。
「キューバにも日本人がいたよ。彼らも手先が器用だった。」
悲しくなるぐらい手先が不器用なビンシー。テープの質の悪さもあるが、手で切れるテープを切れない、テープを貼る前にテープ同士がくっついちゃう、など、本当に「モタモタ」という擬態語がピッタリなのである。手指の動きは経験次第。がんばれ、バイアム!




注※)筆者は応急手当の資格を所有しており、その資格に基づいた適切な応急手当を行っております。

by y-oharatti | 2009-07-27 23:24

WindWard Islands Games ご飯がない!!編

2週間、4カ国全ての選手団が生活する学校。トイレ、シャワー、食事、寝る場所を供給する。

シャワー・トイレは、突貫工事で壁に仕切りとカーテンをつけ、300人という人数になんとか対応している。

問題は、食事。

まず、決まった時間に届かない。ビンセントタイムまっしぐら
お昼ご飯が15時に届いたり、試合が8時半から始まるのに、朝ご飯が8時に到着したり。
選手はとっくに出掛けている。試合会場に朝食が届くはずもない。
朝ご飯ぬきで試合である。

次に、内容と量
ある日の夕食はチキン・ロティ1個。ロティは食事ではなくスナックである。ここにいる選手たちはナショナル・チームである。その選手たちに、ロティ1個・・・・。
米・主菜・副菜が付く時にも、タンパク源(チキン・フィッシュ・ビーフなど)は1人1個だけ。

最も問題なのが、全員に食事がきちんと配られない事。

食堂はないので、簡単なキッチンがついた学校購買で食事を配る。
それぞれの器に入っている料理を学校給食のようにして配るのだが、途中で足りなくなる。
誰も、何がどの量配られ、一人につきどのぐらい配膳すればいいのか把握していない。

狭い空間で300人への食事を2人のオバちゃんがお皿に盛って渡していくので、食事時の学校購買は長蛇の列。その合間を縫って現れる大人(コーチ・スタッフ)。選手の食事よりも自分のご飯が大事なので、平気で順番抜かしをする

見ていて本当に、イライラする光景である。
なぜ300人全員に一カ所で配ろうとするのか?国別に分けて、それぞれの部屋で配膳すれば済む事ではないか??

子どもはたくましい。
大人がアテにならないと早々に判断し、どの国の子もタウンに行ってKFCを買ってきて食べていた。

何年か続けて出場している生徒に聞いてみた。
「他の国に行った時もこんな感じだった???」
ぜ~んぜん違うよ。」

やっぱり、そうだよね・・・・。

今回の4カ国はカリブ海の中で相対的に見て発展下位の国々。その中で、更に遅れているビンセント。それは、環境や施設といったハードではなく、運営力・構成力・組織力というソフトなのだ。

他国スタッフの運営側への苦情を見聞きする度に、ものすごく残念な気持ちと腹立たしい気持ち、両方があった。ビンシーの私とボランティアの私である。

ボランティアの私は知っている。
何がビンセントの課題であり、何が問題なのか。でも、私にそれをどうこうできる力も権限もない。
ただ、問題に気付けるだけ。

ビンシーの私は知っている。
こんな中でも、滅私奉公に近い状態で、選手たちのため、みんなのために本来の役割ではない仕事までをやっているスタッフがいる。小さな子供を家においておけないので、連れてきて一緒に寝泊まりするスタッフがいる。

この大会での私の位置づけは、"Athletic Coach"陸上競技が終わった今、私が他種目のゲームやキャンプに参加しなくても誰も文句は言わないだろう。だが、こういうスタッフがいる事を知ってしまった以上、知らんぷりはできない。

そういうわけで、朝6時半帰り12時半の生活である。

by y-oharatti | 2009-07-26 23:46

Windward Islands Games 陸上編

さて、今日(7月25日)からゲームのはじまりはじまり・・・・。
形式を重んじるカリブ海の大会でのつきもの、マーチ(行進)で幕開け。
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ビンセントカラーの黄・青・緑で統一されたユニフォーム。写真の見た目はいいが、毎年の使い回しなので、サイズが合ってなかったり、ところどころ破けていたり・・。デザインも微妙に違っている。だが、選手はこれを2週間使い続けなくてはならず、もちろん日本製品のように吸汗・発汗のよい素材でもないので、1度汗をかいたら、ベターっとしたまま、1回着たら毎回洗わなくてはならない

だが、食事のたびに便乗して食べに来る役人の分(1人で2人分を持ち帰る時も・・・。)や、紙コップやランチボックスを使い捨てするお金をセーブしたら、選手ひとりひとりにもっといい待遇をしてあげられるのではないかと思う。

Ministoryはいつも「お金がない。」というが、お金の使い方が本当に下手。

10時半から始まった開会式の後、12時半から陸上競技が開始。この半日で全種目を消化する。1種目につき1カ国2名と決まっているので、1レース8名。競技進行は遅れなかったが、1人で3種目出場する選手は本当に大変だった。

この日、ビンセントは最悪の結果。レースから離脱する選手続出
その理由の多くが、アップ不足や練習不足による筋肉痙攣からくるもの

ビンセントのスタッフは選手を責める

「お前たちは国の代表だから、頑張らなくてはならない。なぜ、うまくできないのか?

私は言いたい。

教えてないからできないのである。

むしろ、痙攣をおこすまで追い込んだ選手を誉めてあげたい。今までにない緊張や過剰な負荷がかかった証拠なのだから。


国別対抗でこの日、最下位で終わったビンセント。
継続したトレーニングができていないのだから、当たり前の結果である。
投擲や跳躍種目は一朝一夕でとうこうなるものではない。
2回の練習で背面跳びができたら、コーチは苦労しないのである。

陸上競技部門で華々しい活躍だったドミニカとグレナダ。
コーチに話を聞いたところ、年間を通じて週3回のトレーニングを行っているという。ビンセントと同じように、常に全員が集まることはないらしいが、ほぼやっていないビンセントとは大違いである。

最悪のスタートを切ったビンセントチーム。ハリーはなが~いミーティングをしたが、選手を責めるその前に大人の姿勢である。

by y-oharatti | 2009-07-25 23:58

ビンセントの生徒

ビンセントの子どものエライところは、家事がちゃんと出来る事。
自分の洗濯物は手で洗濯。
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家でいつもやっているんだろう、手際がいい。

これ、男の子たちがやったもの。スゴイ。
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ビンセントの多くの家庭、実は洗濯機がない。立派なスピカーや音響はあっても、洗濯機がないのだ。i-PodやDS買うお金で、充分手に入る代物なのだが・・・。

by y-oharatti | 2009-07-24 23:22

キャンプ???

選手すら、練習の時間がわからない。
指導者の気分や様々な要因で突然決まるので、何にもなくても1日ず~っっと学校にいなくてはならない。

私は指導者だが、立場は生徒とあまり変わりがない。
ハリーが「練習だ」と言えば、ハリーに続いて担当種目の生徒の面倒を見る。

ハリーは人の使い方がうまいと思うが、時に相手を大人として尊重しない態度に私はカチンと来ることがある。「すべては俺が分かってるから、言うとおりにすればいいんだ。」
決して言葉にはしないが、そういう事である。

ワンマンである。

ハリーのこういう所に難色を示す人も少なからずいる。ハリーの愛妻、Mrs.ハリーですら、「ね、彼って勝手でしょ?」とハッキリ言う。そう言える彼女が羨ましい・・・。モーガンは「でも、ハリーは俺のいい友達だ」と言う。以前、ハリーを怒らせ(モーガンはただ仕事をしただけで、何も悪くなかった)、「弁護士のレターを送るからな!!」という捨てゼリフを吐かれたのに。

私も、グチりながらも、やらなくてもいい仕事をやるのは、ハリーが頑張っているからに他ならない。ハリーもモーガンも私利私欲の為でなく、本当に陸上が好きで、スポーツが好きなのだ。

今日も練習は朝練だけ。
そのあとは1日、グダグダと学校内で過ごす。
しょーもないが、つき合うしかない。

by y-oharatti | 2009-07-23 23:58

ストレスフルな陸上競技

「8時に来ればいいよ。」という言葉を信じ、8時10分前に到着したら、すでに練習が始まってた。

本当に計画性がないのか、私がいいように使われてるだけなのか、どちらとも言えないところである。

この大会は、陸上競技・バレーボール・バスケットボール・ネットボール・サッカーの種目で構成されており、全て国別対抗。選手数が1国48名と決められているため、陸上競技の選手はそのほとんどが多種目からの流用。従って、今回”初めて何かを教えなくてはならない”というハードルがあった。

今回集まった生徒たち。国代表になるだけあって、皆それぞれにポテンシャルが高い。何と言っても、このプロポーション。
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スーパーモデルも真っ青である。

バスケやバレー、ネットボールは、体格が選手としての資質を左右するだけあって、いい体格の生徒ばかりが目立つ。
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もちろん、それぞれの競技経験と実績があって選ばれたのだが、こういう子たちにもれなくスポーツを勧めた指導者はエライと思う。

ビンセントでは選手は育てるのではなく、見つけるものなのである。

日頃、ハリーは背の高い女の子には片っ端から、「ネットボールやらんか?」と声をかけるし、本人の意志に関係なく、「この種目が向いているから」と言ってやらせるケースも少なくない。

今回の陸上競技の選抜が、まさにそれ。
だが、指導者(私)にとってはいい迷惑である。

短期間、しかも単発で継続したトレーニングができない上に、選手本人の意志がない。いくらポテンシャルが高かろうが、本人の意志のない所には何も生まれない
当然、練習はグダグダ。すぐに休みたがるし、自分がイヤな事はしない。今回はさすがに国代表なだけあって、イヤイヤながらもやっているのだが、そんな程度の練習で出せる結果など、たかが知れている。

だが、とりあえず、形だけでも取り繕って、試合をするのである。
形だけを取り繕って。

長い目で見て、陸上競技の強化・普及に役立つのだと信じたいが、私にとってはストレスの多い仕事なのである。この怒りのぶつけどころがない事がまたストレスであり、怒りの根源はこの1年間始終感じている、”ビンセントが抱える課題”なのだ。

by y-oharatti | 2009-07-21 23:21

キャンプ、始まる。

キャンプ、要は合宿。
丘の下の学校の近所にある、ビンセントのトップ校を会場に、大会期間中グレナダ・セントビンセント・セントルシア・ドミニカの4カ国のチームが寝泊まりをする。ビンセントは先乗りで、キャンプを開始。
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この4カ国は共通の通貨Eastern Caribbean Doll(通称EC)をしており、カリコムと呼ばれるカリブ海経済共同体の中でも、特に強いつながりを持つEastan Carribean States(東カリブ海連合)の国である。地形・風土・気候などがほぼ同じく、経済力もさほど変わらない。

携帯電話も、隊員が持つ一番安いプランでも繋がっちゃう距離なのである。

さて、学校でどうやって本当に300人の人間が2週間寝泊まりするのか半信半疑だったが、普通教室にマットレスを持ち込んで寝るらしい。そして、トップ校にはなぜか、トイレの中にシャワー室がついている。シャワーといっても、単に水道パイプが壁の上の方からコニャニャチワしてるだけなのだが、ちゃんと仕切りもドアもついていた。やはり、格差社会ビンセント。うちの学校には生徒用トイレ一カ所しかないのに、えらい違いである。


肝心の練習、今日は雨が降ったので、学校内でボーッとしてるだけだった。
スケジュールも何も分からない。時間を聞いても、「そのうち。」とか「Late Eveningだよ。」一体いつ?!

知らない生徒だらけ、名前も誰が何の種目なのかも分からない。
先が読めない。

ストレスである。

by y-oharatti | 2009-07-20 22:53

Windward Islands Games

24日から、ビンセントを舞台にWindward Islands Gamesが開かれる。

これは、セントビンセント・セントルシア・ドミニカ・グレナダの近隣4カ国が集まるセカンダリースクールの国別対抗戦。今年はビンセントが当番らしい。

そんなんで、ちょっと前から、これに向かったセレクションが行われ、トレーニングも週3回と定期的に行われるようになった。私は陸上部門のアシスタントコーチ。もちろん、ハリー、モーガンと一緒である。

朝9時、と言われても時間どおりに集まれないのがビンシー。
今日時間に居たのは私だけ。ハリーは10分遅れ。

生徒もてんでバラバラに来るので、来た子から順に教える超個別指導である。


イマイチ盛り上がりに欠けるビンセントチーム。大丈夫かいな。
ハリーさん、新聞読んでる場合じゃありませんぜ。
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来週の月曜からキャンプが始まる。そこからが本番??

by y-oharatti | 2009-07-17 23:55